発達特性のある子の理解と支援
発達障害などの診断があるないに関わらず、困っているなら対応が必要です。
よく、「困った子」は「困っている子」と捉えよう!と言われますが、
先生から見て、手がかかる子は、わざと先生を困らせようとしているわけではありません。結果だけを見て叱るのではなく、なぜ望ましくない行動を起こすのかを注意深く観察することが大切です。では、その行動の原因は?
「やり方がわからない?」「やってもできない?」「やる気がない?」
やり方がわからない?
「暗黙のルール」がわからない特性のある子には、「当たり前でしょ」「どうしてできないの?」ではなく、丁寧に説明する必要があります。
聴覚理解が弱い子なら、言葉だけでなく、イラストや写真を提示したり、モデルを見せる必要があるでしょう。
やってもできない?
中には、「DCD(発達性協調運動障害)」と言って、手指を使う運動、からだを使う運動、目の動きと手の動きを合わせる運動など、複数のからだの部位を協調させて動かすことが苦手な子もいます。無理やりやらせても恥をかかせることになるので、その子が楽しくできるダンスやゲームで身体を動かす練習をさせる方がよいかもしれません。
生まれつき読んだり書いたりすることが苦手な「発達性ディスレクシア(読み書き障害)」の子には、流ちょうに音読ができなかったり、質問されれば答えるのに、
書かせると書けない、漢字やアルファベットが覚えられないなど、困難さを抱えています。
デジタル教科書を使ったり、隣で読んでもらえば理解できる子、漢字のなりたちや語呂合わせでなら覚えられる子など様々です。その子に合わせた支援が必要です。
やる気がない?
「どうせやったってムダ」などと言う子は、既に、やっても出来ないことを経験しているのかもしれません。
出来なかったことを丁寧に教え、できた時に褒めるなど、やれば良いことがあるという体験をさせてあげましょう。
保護者の不安な気持ちに寄り添う
クレームは、学校に入るための「入場券」と捉えてみる。
保護者にとって、学校に相談に行くのは案外ハードルが高いもの。
忙しい先生に個別で相談には行きにくのです。
そこで、困っている保護者は、学校で何かトラブルがあると、
「クレーム」という形で学校にやって来ます。
本当は困っていることを相談したい、助けてほしいと思っているかもしれないのです。それなのに、「クレーマー」「いちゃもん」と捉え、とにかく怒っているんだから謝って早く帰らせようとか、保護者の言うことを真っ向から否定したりすると「この先生はダメだ」と決めつけモンスター化してしまうことがあります。
まずは、保護者の言い分を聴き、気持ちを認め、感情に寄り添ってから、
一緒に対応策を考えましょう。という姿勢を見せることです。
感情的になっている間は問題解決は困難です。
感情と問題を分けるために、感情を認め、「この先生は私の気持ちをわかってくれる」と思ってもらえたら、冷静に話し合いができる可能性が高くなります。
(2024年11月19日東海市女性職員授業研究会より)